山本印店に行ってきました⑤

桃仙さんが、誉めながらお話をしてくださったので、少し安心。やっと、私から質問できました。

「あの、仕事のことなんですが。」
そう尋ねると
「あんたは、男並に一通り仕事をこなすなあ。あんたをやっかむ奴は、いっぱいいただろう。」
「あー、はい。私も気が強いので、負けん気になるんです。」そう言うと、
「あんたには、勝てんよ。それで何？」
と尋ねられました。

私は、少し躊躇しながらも「いつか、○○という役職に就きたいのですが、どんな努力をしたら良いですか？」
そう尋ねると、「ほっといてもなるよ。それより、本当は、子供を作りたいな。」とおっしゃっいました。
「はい。私も欲しかったんですが、できませんでした。」
「そうか。あんた、年齢より体はまだ若いから頑張ってみたら？旦那の子供じゃなくてもいいんだから。」
また、それですか？（笑）
私は、旦那さんの子供がほしいんです。

「子供もできなかったので、仕事を全うしたい。やるからには、偉くなりたいです。」と正直に話しました。
「何で偉くなりたい？」桃仙さんが尋ねました。
「親を喜ばせたいんですよね。」無意識に言葉を発した私に桃仙さんは、ニッコリ笑って言いました。
「それがあんたのすべてだな。あんたの力になってきたもんだよ。」
桃仙さんの愛のある言葉に、思わず涙がこぼれ落ちそうでした。

「ハンコ、作るね。」
「はい！」
「認印と銀行印は、名字、実印は、下の名前で作るから。」と言われました。
「じゃあ、そっちでお金払って。」

奥様に、お金(23000円)を渡すと
「じゃあ、7月5日に取りに来てください。」と言われました。